高嶋英男

Takashima Hideo

1981 東京都生まれ
Born in Tokyo

2009 空間3-16-③ LE DECOL(東京)
SPACE 3-16-③ LE DECOL, Tokyo

2010 Free STYLE 展 神奈川県民ホールギャラリー
Free Style Exhibition Kanagawa Prefectural Gallery

群馬青年ビエンナーレ2010 群馬県立近代美術館
The 11th Gumma Biennale For Young Artists The Museum of Modern Art, Gunma

2010アジア現代陶芸展 弘益大学校(ソウル/韓国)
2010 Asia Present Age Ceramic Art Exhibition Hongik University, Seoul South Korea

2011 第14回 岡本太郎現代芸術賞 川崎市岡本太郎美術館(神奈川)
The 14th Taro OKAMOTO Contemporary Art Award Taro Okamoto Museum, Kanagawa

被災遺児チャリティ展 3331Arts Chiyoda アキバタマビ21(東京)
Disaster Orphaned-Child Charity Exhibition 3331 Arts Chiyoda Akibatamabi21, Tokyo

中之条ビエンナーレ2011 (中之条/群馬)
NAKANOJO BIENNALE 2011 Nakanojo-machi, Gumma

2011アジア現代陶芸展 広東石湾陶磁博物館(中国)
2011 Asia Present Age Ceramic Art Exhibition Kuangtung Shiwan Pottery Museum, China

2012 Hideo Takashima Exhibition KOKI ARTS(東京)
Hideo Takashima Exhibition KOKI ARTS, Tokyo

ULTRA 005 スパイラルガーデン(東京)
ULTRA 005 Spiral Garden, Tokyo

多摩美術大学大学院美術研究科工芸専攻修了
M.F.A. Ceramic, Glass, and Metal Works Tama Art University

東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻入学 在籍中
Enrollment in Graduate School of Tokyo University of the Arts, Sculpture

推薦文

推薦の理由など

推薦者:椹木野衣(美術評論家・多摩美術大学教授)

作家には幼い頃より、理由もわからず気になる不特定多数の人物がいた。あるときから彼はこの感覚を作品化するようになる。具体的には気になる人物を見つけると交渉し、受け入れられた場合には石膏で(場合によっては全身)の型取りをし、等身大の人物像をつくるのである。さらに作家は、その人物像をもとに、彼/彼女の職業や趣味までをも反映したインスタレーションへと仕上げる。が、作品となることで、「気になる」感覚は解決されるのではない。逆に濃縮され、他の人物への観察と混ぜ合わせられ、共通の個性へと還元される。作家は、実は自分自身の雛形を他者に投影して追求しているのかもしれない。

推薦の理由として挙げたいのは、人間という存在そのものが遺伝子の組み合わせから生み出される「版」の積み重ねからなるとしたら、われわれ人間も一種の版構造のなかにあり、この作家が追求しているのも、おそらくはこのことと無縁ではないと考えられるからだ。たとえば、現在制作中の新作では、趣味が高じて墓石のデザイナーとなった「伸夫さん」という人物が取り上げられている。交渉の上、彼の身体を「型取り」し、「伸夫さん」が描いた数々の「墓石画」とともにインスタレーションにする計画だ。

人間が遺伝子という版構造に由来するとしたら、そのひとが生きた証しである墓もまた、版で押したように何世代にもわたって反復される。人間と「つくること」をめぐる版構造が、「様々なる意匠」をともなって作家自身へと回帰する様は、たいへん興味深い。