Project Description

澤田 華

Sawada Hana

1990 京都府生まれ
2016 京都精華大学大学院 芸術研究科前期博士課程 修了
2016 「Reproduction」成安造形大学【キャンパスが美術館】・滋賀
2017 「ラリーの身振り」KUNST ARZT・京都
「1floor2017 “合目的的不毛論” 」神戸アートビレッジセンター・兵庫
「場|BA」愛知県美術館ギャラリーJ室・愛知
「未来の途中の星座‐美術・工芸・デザインの新鋭9人展」京都工業繊維大学美術工芸資料館・京都
写真新世紀2017年度 [第40回公募] 優秀賞受賞
2018 「見えないボールの跳ねる音」Gallery PARC・京都
「showcase #7 “写真とスキャン PHOTO & SCAN”」eN arts・京都
2019 群馬青年ビエンナーレ2019 奨励賞受賞
「凍りつく窓:生活と芸術」CAGE GALLERY・東京
「フラッシュメモリーズ」The Third Gallery Aya・大阪
「Identity XV – curated by Meruro Washida -」nichido contemporary art・東京
「あいちトリエンナーレ2019」愛知県美術館ギャラリー・愛知
「車窓のそとは既に過去」波止場・愛知
「テキサス・ヒットがやってくる」Lights Gallery・愛知
「Roots Routes Travelers」成安造形大学【キャンパスが美術館】・滋賀
1990 Born in Kyoto, Japan
2016 Completed the first half of a Doctorate Program at the Graduate School of Art, Kyoto Seika University
2016 “Reproduction” SEIAN ART CENTER, Shiga
2017 “Gesture of Rally” KUNST ARZT, Kyoto
“1floor2017, GOUMOKUTEKITEKI-FUMOURON” Kobe Art Village Center, Hyogo
“Place|BA” The Aichi Prefectural Museum of Art Gallery, Aichi
“Constellation on the Way to the Future:9 Newcomers of Art, Craft and Design” Kyoto Institute of Technology Museum and Archives, Kyoto
New Cosmos of Photography 2017 [40th competition], Tokyo, Excellence Award
2018 “Bouncing Sounds of an Invisible Ball” Gallery PARC, Kyoto
“showcase #7 PHOTO & SCAN” eN arts, Kyoto
2019 The 14th Gunma Biennale for Young Artists 2019, Gunma, Encouragement Award“Frozen Window: Between Street and Images” CAGE GALLERY, Tokyo
“Flash Memories” The Third Gallery Aya, Osaka
“Identity XV -curated by Meruro Washida-” nichido contemporary, Tokyo
“Aichi Triennale 2019, Taming Y/Our Passion” Aichi Prefectural Museum of Art Gallery, Aichi
“Outside the train window is already in the past” Hatoba, Aichi
“Texas-hit comes along” Lights Gallery, Aichi
“Roots Routes Travelers” SEIAN ART CENTER, Shiga

推薦文

拡張された「版|情報」の概念

原久子(アートプロデューサー/大阪電気通信大学教授)

学生時代に版画を専攻した澤田華だが、いわゆる版画技法を押し出す制作スタイルはとらず、写真、映像、インターネット上の情報、立体などを用いてインスタレーション作品を発表することが多い。そんななかでも「Gesture of Rally」シリーズは、澤田の代表作と言えるだろう。キャノン写真新世紀2017年度優秀賞や群馬青年ビエンナーレ2019奨励賞が授与されたのもこのシリーズを評価されたものだ。
既存の写真の一部分を起点として、それが何なのかを探し求める過程で検索された”情報”をさまざまな形態でピックアップし構成し、一つの作品をつむぎ出す。建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルトのガラスの花器は、島の形、切り株の形状、湖?と見る人によって想起するものが異なる。いずれもきっと正解で、アアルトにとって親しみのある形が彼を触発し、造形の源となったのだ。澤田の作品の一部分のシルエットから連想されるものは、フォルムの追究に留まらず、アアルトの閃きとは根本的に違う。慣習や歴史に触れることすらあり、深読みの連鎖が過ぎて、いつの間にか観る者は作り上げた、否、でっち上げたとすら言えるような物語の中で冒険をはじめる。筆者自身、ステートメントにある「正体不明の物体を巡る…」というフレーズにすっかり夢中になってしまった一人でもある。
写真はプリントされる、あるいは投影される時点で、もはや過ぎ去った時間の中の事象となるが、澤田の作品では未来にしかない物が存在するような歴史の歪みを作り出すシーンもありうる。それらしきものの“情報”が“イメージ”を形成する元となり、真実よりも真実に近い情報が、時代を行き来する。過去から現在までの膨大な情報は操作されるのではなく、観る者が勝手に操作し易く、澤田によってプログラミングされているのだろう。他者によって作り出された造形の一部を恣意的にトリミングし、その情報を反復させ、視覚や脳裏に焼きつける。この手法を旧来の「版」と置き換えて捉えることが可能なのではないだろうか。こじつけのように捉えられるかもしれないが、20世紀までの版の概念からは逸脱してはいるが、芸術のあり方の多様化が容認される現在、版の概念も拡張されて構わないだろう。

参加作家一覧
第3回PATinKyoto概要