入江明日香
IRIE Asuka
1980 東京都生まれ
Born in Tokyo
2004 多摩美術大学博士前期課程美術研究科版画領域修了
M.F.A. Printmaking, Tama Art University
2005 第4回 池田満寿夫記念芸術賞 大賞受賞 洋協アートホール（東京）
Masuo Ikeda commemoration of Art exhibition 4th Grand Prize-winning, Ginza Yokyo Hall, Tokyo
第13回 プリンツ21グランプリ展 グランプリ受賞
21st Century Grand Prix Exhibition 13th Grand Prix Prize-winning
個展「入江明日香展」 シロタ画廊（東京）［’05、’06※、’07、’08、’09、’10、’12開催］
Solo Exhibition, “Asuka irie” Shirota Gallery, Ginza, Tokyo [’05,’06※, ’07, ’08, ’09, ’10, ’12]
※番町画廊（東京）同時開催 ’06 Being held simultaneously at Bancho Gallery, Ginza, Tokyo
SIPA 2005 Hangaram Art Museum （ソウル／韓国）［’08も出品］
Seoul International Print, Photo Edition Works Art Fair 2005 Hangaram Art Museum, Korea, Seoul [’08]
2006 「銅版画の地平Ⅳ ─日常とその向こう─」 ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション（東京）
Etching horizon Ⅳ – ordinal day and beyond it Musee of Hamaguchi Yozo・Yamasa Collection, Tokyo
2007 VOCA展 上野の森美術館（東京）
The Vision of Contemporary Art The Ueno Royal Museum, Tokyo
2009 個展「入江明日香展」 日本橋三越本店6階美術サロン
Solo Exhibition, “Asuka irie” Mitsukoshi Department store Nihonbashi, Tokyo
2011 「収蔵品展039 寺田コレクションの若手作家たち」 東京オペラシティアートギャラリー（東京）
Exhibition of Terada Collections Tokyo Opera City Art Gallery, Tokyo
2012 ART FAIR TOKYO 2012 東京国際フォーラム（東京）
ART FAIR TOKYO 2012 Tokyo International Forum, Tokyo
個展「入江明日香展」 横浜高島屋７階美術画廊・大阪高島屋6階ギャラリーNEXT［巡回］
Solo Exhibition, “Asuka irie” Takashimaya Department store, Yokohama and Osaka
推薦文
新しい版の視点より
推薦者：吹田文明（版画家）
入江明日香の作品を見て版画と思う人が何人居るだろうか。描かれた絵だと思う人の方が多いのではなかろうか。ところが版によって構成されているのである。しかもエッチングで、和紙、雁皮紙等に刷り取り、浮世絵に見られる日本的色彩を加えた、コラージュを中心に手彩色で繋ぎ構築されている。あえて構築と書いたのは 描くことでは出し得ない版の内在する力を組み立ててこれ等の作品が作られているからである。版画を定義着ける時一般的には版の持つ機能や技法と言った印刷形式のみを論じる傾向にあり版画の持つ内なるものに対して論じられることは希であるが制作者は版が持っている力、版でしか表現し得ない内なるものを常に感じている。入江明日香はそのことを充分心得ており、銅版の繊細な線やグラデーションを重圧なプレスによって閉じ込めた内なる力を雁皮紙など透明感の中に刷り取り 貼り重ねて、手間を掛けて組み立てている。
もし版で無く描写のみで描き上げたとすればこの不思議な透明感、繊細な線、グラデーションによる深い色彩は得られないだろう。単に美しいだけで深い内なるものを感じ得ないであろう。通俗的にも見える題材を支えているのは内なる版の力に他ならない。
それは今までの版画技法には無いまったく新しい試みであり、単なる印刷形式では無く版の持つ内在する力を刷り取り 組み立て 再構築し版の可能性を今日的視点から追求している。そこがこの作品の不思議な魅力と新鮮さである。そこを見ていただきたく推挙いたしました。