林勇気

Hayashi Yuki

1976 京都生まれ
Born in Kyoto

1997 映像の制作をはじめる
To start production of the video

2008 個展「世界の終り」 世田谷ものづくり学校 IID gallery(東京)
Solo Exhibition “the end of the world” IID Gallery, Tokyo

2009 「Re:membering Next of Japan」 Doosan art center、Gallery loop(ソウル)
Re:membering Next of Japan Doosan art center, Gallery loop, Seoul

2011 個展「あること being/something」 兵庫県立美術館
Solo Exhibition “arukoto being/something” Hyogo Prefectural Museum of Art

「Human Frames」 Kunst im Tunnel(デュッセルドルフ)、Substation(シンガポール)
Human Frames Kunst im Tunnel, Dusseldorf, Substation, Singapore

2012 個展「Planetarium」 柏プラネタリウム(千葉)
Solo Exhibition “Planetarium” Kashiwa Planetarium, Chiba

2014 個展「光の庭ともうひとつの家」 神戸アートビレッジセンター(兵庫)
Solo Exhibition “Garden of Light and Another House” Kobe Art Village Center, Hyogo

2013 「あなたがほしい i want you」 WELTKUNSTZIMMER(デュッセルドルフ)
ANATA GA HOSHII – i want you WELTKUNSTZIMMER, Dusseldorf

2014 「HOME PARTY 02」 みずのき美術館(京都)
HOME PARTY 02 Mizunoki Museum, Kyoto

「窓の外、恋の旅 -風景と表現」 芦屋市立美術博物館(兵庫)
Outside the Window Awaits a Journey of Love Ashiya City Museum of Arts and History, Hyogo

「あなたがほしい i want you 」 大阪府立江之子島文化芸術創造センター
ANATA GA HOSHII – i want you Enokojima Art Culture and Creative Center Osaka Prefecture

2015 「アンカラ国際映画祭」(トルコ)
Ankara International Film Festival Turkey

「みんなのアート それぞれのらしさ」 みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜)
ART OF EVERYONE – EACH OF INDIVIDUALITY Gifu Media Cosmos

推薦文

推薦者:山中英之(京都新聞論説委員長)

自身で撮影したり、公募したりした膨大な量の写真をコンピューターに取り込み、切り抜いたり、重ね合わせたりしながら独自のアニメーション作品を制作している。CG作品のように見えるが、写真が基になっているという意味でも間接性の強い表現であり、版画の範疇に入るとみて推薦した。

蓄積した写真は、身の回りの自然やありふれた日用品、ブロックの壁など多岐に及ぶ。それらをテーマに応じて選び、切り抜き、重ね合わせ、動きを加えていくことでデジタルメディアを介したコミュニケーションのような動画作品に仕上げる。特定のキーワードでネット検索して集めた写真を使うこともある。

パソコン上での作業であるが、マウスやコントローラー、タッチパネルなどを用いた膨大な手作業の積み重ねによって作品は出来上がっていく。その作業を通してモニターの中の世界に「触れている感覚」があると作者はいう。映像が無機質なデジタル世界でありながら、決して冷たくはなく、どこか心地よい手ざわり感があるのはそのためもあろう。

写真を媒介に「現実」のイメージが増幅し、融合しながら静かに流れていく時空間は、デジタル時代のリアリティーを帯びた「もう一つの世界」を生みだしており、ユニークだ。最近はそうした世界とは対照的に、インターネットやメディア、コピー、データなどの終わりを想起させる映像作品にも取り組んでいると聞く。今回、どんな新たな展開をみせてくれるか、楽しみである。