秦まりの
Hata Marino
1981 福岡県生まれ
Born in Fukuoka
2004 京都精華大学芸術学部造形学科版画専攻卒業
B.F.A. Printmaking, Kyoto Seika University
2008 個展「LOVE トカゲ男とその愛の話」 番画廊(大阪)
solo exhibition, “Love Lizardman and his lovestory” Bangarou, Osaka
2010 個展「Mr.ヨーグルト EGYPTに行く! イシスの愛の話」 番画廊(大阪)
solo exhibition, “Mr. Yoghurt go to EGYPT Isis and her lovestory” Bangarou, Osaka
2010 個展「Mr.ヨーグルト Parisに帰る!~パリの食卓〜」 ギャラリーエフェメール(大阪)
solo exhibition, “Mr. Yoghurt back to Paris -Table in Paris-” Galarie ephemere, Osaka
2012 個展「Miss. Big LOVE 恋のボルケーノ」 番画廊(大阪)
solo exhibition, “Miss. Big Love Volcano of Love” Bangarou, Osaka
推薦文
「秦まりの」の作品
推薦者:三木哲夫(兵庫陶芸美術館長)
秦まりのは1981年生まれで、2004年に京都精華大学の版画専攻を卒業した若い作家である。
2008年・2010年・2012年に大阪で開かれた個展を見たが、いずれも自作の物語を元に、シルクスクリーンによるぬいぐるみ状の立体作品と平面作品を組み合わせて、会場いっぱいにカラフルでポップな独自の展示空間を生み出していた。展覧会のサブタイトルを開催順に並べると、「LOVE
トカゲ男とその愛の話」、「Mr.ヨーグルト EGYPTに行く! イシスの愛の話」、「Mr.ヨーグルト Paris に帰る!~パリの食卓〜」、「Miss. Big Love〜恋のボルケーノ」となり、愛の物語が連環しながら展開しているようである。
シルクスクリーンによる立体作品と平面作品の組み合わせは、もちろん秦が初めてではない。島州一の《シーツとふとん》(1974)や木村秀樹の1983年から1885年にかけての《「水鳥」のシリーズ》などの良く知られた先行例があり、彼女より上の世代の作家だと、自分の表現方法として採用するのにはためらいがあるかもしれないが、たぶん彼らの作品を見たことも聞いたこともない秦にとっては、自分の表現を探るさまざまな試行錯誤を積み重ねているうちに、躊躇無く彼女自身が導きだした独自の世界なのだろう。
過去の展覧会は、完成度も高く、理屈抜きで楽しめたが、秦のような表現の世界も版画の新しい可能性を示しているのではないだろうか。今回の展示を楽しみにしている。